この投稿は、慢性的や腰痛や肩こりといった痛みを患う方の施術に特化した整体院アルファが、痛みでお悩みの皆様に最新のエビデンス情報をお届けするコラムです。
慢性疼痛専門整体アルファは福岡市南区大楠で施術を行なっています。長年の痛みに悩まされている方はぜひ一度当院にお越しください。必ず皆様のお力になります。
【中枢性感作】慢性腰痛を患う人に特徴的な症状
「レントゲンを撮っても特に以上は見られない」
「腰痛発症から数年経過、手術もしているのに痛みが取れない」
このようなお悩みを持つ方の病態の一つに『中枢性感作』と呼ばれる症状があります。
中枢性感作とは
中枢性感作とは、痛みの元となる患部の障害が最小限あるいは全くなくても「痛みを感じてしまう状態」を指します。
「痛みの元はないのに痛みを感じるの?」
と疑問に思われた方も中に入るかもしれません。
が、事実慢性的な痛みというのはこういった現象がよく見られます。
中枢性感作の病態
中枢性感作は、繰り返しの痛み刺激等によって中枢神経系(脳-脊髄)が過剰興奮を引き起こし、その結果として痛みに対する感受性が増大してしまうことによって生じます。
いわば、感覚過敏状態に近いです。
この感覚過敏状態をチェックすることで、中枢性感作の有無をスクリーニングすることができるのですがその際に用いられる評価方法を『QST』と言います。
また、もう一つ中枢性感作症状をスクリーニングする評価としてよく用いられる方法に、Central Sensitization Inventory(CSI)と呼ばれる質問紙による評価方法もあります。
長年腰痛を患っている方の中で、原因が未だわからないと言う方は一度検査してみるのも良いかもしれません。
中枢性感作を患う人の症状
以下に中枢性感作症状の特徴を表す症状を記載しています。
ソースを以下に貼っているので、ご興味ある方はぜひ原著をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31151341/
特徴① 感覚が過敏である
中枢性感作の症状を評価するCSIのスコアが高い人たちの約70%の人が感覚過敏症状を示すことが明らかになっています。
特徴② 防御型高不安タイプである
腰痛をはじめ、慢性的な痛みを抱える人のタイプは大きく4つに分類できます。
- 高不安タイプ(High Anxious)
- 防御型高不安タイプ(Defensive High Anxious)
- 低不安タイプ(Low Anxious)
- 抑圧者タイプ(Repressor)
この中で、最も中枢性感作症状を呈しやすいのが「防御型高不安タイプ(Defensive High Anxious)」と言われています。
防御型高不安タイプ(Defensive High Anxious)の人の性格をすごくざっくり一言で言うと「心配性で、自分を守ろうとする傾向が強い人」です。
このタイプの人々は中枢性感作を経験する傾向が高いとされていて、強い不安と自分自身を守ろうとする防御性が、感覚刺激に対する過剰な反応を引き起こし結果として痛みの感受性を増加させると言われています。
中枢性感作についてまとめ
- 中枢性感作とは、痛み刺激がなくとも痛みを感じてしまいやすい状態である。
- 中枢性感作は、中枢神経系が過剰興奮することによって引き起こされる
- 中枢性感作を患いやすい人の性格特性に「感覚に対して過敏であること」と「防御型高不安タイプ」であることが示唆されている