この投稿は、慢性的や腰痛や肩こりといった痛みを患う方の施術に特化した整体院アルファが、痛みでお悩みの皆様に最新のエビデンス情報をお届けするコラムです。
慢性疼痛専門整体アルファは福岡市南区大楠で施術を行なっています。長年の痛みに悩まされている方はぜひ一度当院にお越しください。必ず皆様のお力になります。
【アメリカの学会が発表】腰痛の適切な診断と治療に欠かせない7つの推奨事項
2007年にアメリカの内科学会と疼痛学会が共同で発表したガイドラインがあり、そこでは多くの人が抱える慢性疼痛の一つである「腰痛」において、治療を進める際に重要な7つの推奨事項が発表されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17909209/
こちらでは、その7つ全てを一つずつ解説していきます。
推奨① 腰痛の評価は心理社会的要素を考慮する
従来、腰痛の診断には筋肉や関節、画像所見を中心にその診断が行われてきました。
しかし、それらに加え腰痛の診断には患者自身の精神心理的状態や家庭環境や社会的背景、痛みに対する捉え方といった心理社会的要素も考慮する必要があることが言及されています。(強い推奨、中等度のエビデンス)。
推奨② 画像診断を乱用しない
臨床医は、非特異的な腰痛患者に対してルーチン的に画像検査やその他の診断検査を行うべきではないことが推奨されています。(強い推奨、中等度のエビデンス)
これは分かりやすくいうと、推奨③で説明する「神経症状を伴わない」場合などを言います。
推奨③ 重度の症状が疑われる場合は画像診断を適用する
重度または進行性の神経学的障害が存在する場合、または病歴と身体状況に基づいて重篤な疾患(レッドフラッグ)が疑われる場合は、画像診断と検査を実施すべきであるとされています。(強い推奨、中等度の質のエビデンス)
なお、推奨④については画像診断についてより具体的な内容が記載されているため続けて解説します。
臨床医は、持続性の腰痛と神経根症または脊柱管狭窄症の徴候または症状を有する患者を、手術または硬膜外ステロイド注射(神経根症が疑われる場合)の候補となりうる場合にのみ、磁気共鳴画像法(MRI)またはコンピュータ断層撮影法(CT)で評価すべきである(強い推奨、中等度の質の証拠)。
推奨⑤ 患者教育を徹底すること
臨床医は、患者に対して腰痛に関するエビデンスに基づいた情報を提供すること、痛みがある中でも活動状態を維持できるよう助言し、効果的なセルフケア情報を提供すべきであることが推奨されています。(強い推奨、中等度の質のエビデンス)
推奨⑥ 適切な薬剤を処方すること
臨床医は腰痛患者に対して、推奨⑤のセルフケアと併せ、効果が証明されている薬剤の使用を検討すべきであることが推奨されています。
ちなみに、第一選択薬はアセトアミノフェンまたは非ステロイド性抗炎症薬となっています。
推奨⑦ 慢性腰痛ほど様々な治療手段を組み合わせること
急性腰痛には脊椎マニピュレーション、慢性腰痛や亜急性腰痛には集学的リハビリテーション、運動療法、鍼治療、マッサージ療法、脊椎マニピュレーション、ヨガ、認知行動療法、漸進的リラクゼーションなどを組み合わせて実施することが効果的とされています。(弱い推奨、中等度のエビデンス)
腰痛ガイドラインの推奨事項まとめ
1.腰痛の評価は心理社会的要素を考慮する
2.画像診断を乱用しない
3.4 重度の症状が疑われる場合は画像診断を適用する
5.患者教育を徹底すること
6.適切な薬剤を処方すること
7.慢性腰痛ほど様々な治療手段を組み合わせること